INTERVIEW

育児と仕事の両立&地方のメリット・デメリット

二児の母である池内先生と、現在第二子を妊娠中の川野先生のお二人に、それぞれの視点から「育児と仕事の両立」「地方のメリット」を語っていただきました!

(※取材日:2021年6月17日)

川野 奈々江・池内 真代

まずはそれぞれの自己紹介をお願いします!

川野先生: 医師歴11年目で今は外来をメインに働いています。2歳の娘、夫の3人家族です。今は妊娠中なので、少し業務を軽減して勤務させていただいています。

池内先生: 私も同じく医師11年目、小学校1年生の息子と3歳の娘、夫の4人家族です。週に2回ほど大学や外の病院で外来業務を行い、他の日は研究を進めています。朝は息子を見送ってから、娘と一緒に出勤しています。

大分で働くことを決めたキッカケは何ですか?

川野先生: 親の転勤で色んな土地を転々としていたんですが、両親の出身が別府なので、大学は大分を選び、大分で働こうという思っていました。今は両親も大分に定住していますし、「支えてもらえる人がいる場所で働こう」という理由が大きかったですね。

池内先生: 私も同じです。いずれ自分が結婚して、子どもを産んで・・・と考えたとき、医者を続けたかったので、働きやすい環境としては地元だろうと思いました。

川野先生: 学生時代や初期研修の時「ひとりで何とかなる!」と思っていたのに、思うようにできなかったことが何度かあったんです。そういう経験もあって、地元で働くことを決めました。

池内先生: ただ、地方では数が少なくて珍しい症例も、都会にはたくさん集まっているので、そういう勉強や経験をしたいと考えたことはありました。でも実際に続けるのは難しかったと思います。

川野先生: 大分の先生方は、幅広い知識を持たれている方が多いんですよね。地方は医師の数が少ない分、自分の専門外の知識も持っていないと、対応が間に合わないことがあります。そういう医師になりたいと思ったことも、大分大学小児科学講座に入局した理由のひとつです。

育児をしながら医師として働く上で不安だったこと、
大変なことはどんなことですか?

池内先生: 毎日、時間には追われていますね。

川野先生: 子どもがいないときは「仕事が多くてもちょっと残ってがんばろう」と調整ができましたが、今は絶対に時間内で帰らないといけないし、帰宅してからもやることが多くて。

池内先生: それから、子どもが風邪を引いたときなんかも大変ですね。病児保育が利用できればいいけど、利用できない日もあります。自分も外来があって休みが難しい日もあるので、実家が助けてくれるのはありがたいです。

川野先生: うちはまだ子どもが小さいので試行錯誤中ですが、育児って先が読めないことが多いですよね。突発的なことが起こるので、その度にアタフタしています。

「大分で働いていてよかった」と感じたことはありますか?

池内先生: 選択肢が適度にあると思います。遊ぶ場所にしても習い事にしても、多くはないけれど少なくもないので、子育てに関して物足りなさを感じたことはないですね。

川野先生: 今はコロナ禍で県外に遊びに行きづらいですけど、大分には海も山も川もあって、キャンプ場や広い公園もあって、遊園地もいくつかありますよね。動物園や温泉もあって…実は大分って家族で楽しめる場所がすごく多いんだなって、改めて大分の良さを感じています。

コロナ禍で大きく変化した働き方はありましたか?

池内先生: コロナ禍でオンラインでの学会や研究会は以前より増えました。

川野先生: 子どもがいるから参加を諦めていた学会や勉強会もあったので、その点はよくなりましたね。

池内先生: 頻繁には行けなかったですね。規模にもよるんですが、学会って2〜4日間開催されるので「1日だけでも」とか「自分が発表する学会だけは」とか、絞る必要がありました。今は気軽に全日参加できるようになりました。

川野先生: 専門医を維持するためにセミナーや学会に参加する必要があるので、出産や育児で諦めていた女性もいたと思います。ただ今回、オンラインが普及したことで単位の取得が楽になったので、専門医を目指す女性、育児中の先生が増えた印象がありますね。

池内先生: 海外の研究会もウェブでしているものがあるので、学習の機会が一気に増えましたね。この点では、都市部も地方も隔たりはありません。ただ専門医としてコアな分野を学ぼうと思うと、都会の大きな拠点病院に比べれば少し経験を積みにくい部分はあると思います。

地方での就職か都会での就職かで悩んでいる学生さんに一言お願いします

川野先生: 私は地元に残って助けてくれる人たちのそばで仕事をしている立場なんですが、仮に実家が近くになかったとしても、色んなサポートがあると思います。 大分大学小児科学講座は先輩ママの医師もいますし、男性も理解がある先生方が多いんです。頼れる先輩ママ・パパがたくさんいるので心強いですし、私も「なんとかなるよ、大丈夫」という先輩方の言葉に励まされてきました。

池内先生: せっかくがんばって医師になったのだから、どんな形であれ仕事を続けてほしいと思います。特に産後、子どもがいる上で生活リズムを作っていくのも大変ですし、復職後はブランクにも苦労しました。私の場合は地元で働いて実家に支えてもらっていますが、住み慣れた場所を選んだり、保育園・病児保育が利用しやすい勤務先を選んだり、自分なりに仕事を続けやすい環境を作ってくださいね。

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