INTERVIEW
実際にUターン、Iターンされた先生の声

小宅 桃子

18歳まで津久見市で育ち、大学入学を機に上京し、8年間東京で過ごしました。
小児科医になってからの自身のキャリアについて具体的に考えていく中で、地元の大分に帰って小児科医として働くという選択肢を意識し始め、大分大学の小児科医に見学へ行き、入局を決めました。

医師、そして小児科医という職業を志したきっかけは何だったんですか?

父は内科医、母は小児科医という環境で育ってきたので、「医師」という仕事は身近に感じていたんです。
自分自身が患者として母の診察を受けることもあって、小児科医の仕事の内容はよく知っていましたし、小さい子のお世話をすることも好きだったので、「小児科医になりたいな」と昔から思っていました。
とはいえ、一直線に小児科医を目指していたわけではなく、他の職業を考えた時期もありました。読書が好きなので、図書館の司書になりたいな、とか。
でも結局、怪我や病気を治すことで誰かの助けになりたい、人の命に関われるような仕事に就きたいという思いが強く、自分にとって一番身近だった小児科医を選びました。

小児科医になって印象深かったエピソードや思い出を教えてください。

注射を怖がっているお子さんに、どんなふうに対応したらいいのか悩んでいたことがありました。注射の痛みを押さえるシールを使って「痛くないよ、怖くないよ」と伝えても、怖がっているお子さんにはなかなかわかってもらえないですよね。
最初の一歩を踏み出してもらったり、乗り越えてもらうためにはどうしたらいいのかがわかりませんでした。

でも、「絶対にやらない!」と頑なだった患者さんが、少しずつ自分から腕を出してくれるようになったんです。そうやって、患者さんが怖さを克服してがんばっている姿を見ていると、私もそのがんばりに精一杯応えていきたいと思うようになりました。

最後に、どのような小児科医を目指しているか教えてください。

「病気」だけではなく、患者さんとご家族の「気持ち」を汲み取れる医師になりたいと考えています。
小児科の場合、不安を抱いているのは患者さんだけではありません。子どもが病気になると、親御さんはとても心配して、不安になりますよね。そんなとき、気持ちを言葉にしたり、辛さを吐き出すだけでも少し楽になると思うんです。できるだけ話を聞いて、患者さんとご家族の気持ちに寄り添える医師になりたいと思っています。

今はまだ小児科医として経験が短く、未熟なので、上級医の先生方の指示をこなすことだけに一生懸命になってしまいがちなんですが、「患者さんのために何ができるか」を自分自身がしっかりと考え、知識と力をつけていきたいと思っています。

まだまだ魅力が沢山!