佐賀県出身で佐賀大学医学部を卒業したのですが、様々な経験をしたいと思い東京医科歯科大学付属病院で初期研修を行いました。
元々地域に貢献したいという思いもあり、東京へ出てからむしろ九州に帰り医療を行いたいという意思が強くなり、初期研修の時にお世話になった先輩の勧めもあり、大分大学小児科に入局しました。
医師、そして小児科医という職業を志したきっかけは何だったんですか?
小学生のころから医師という職業を意識していました。父親が医師だったので、知らず知らずのうちに影響を受けていたんだと思います。
実は、「親が医者だから自分も医者になる」という考えが安直のような気がして、悩んでいた時期もあったんです。でも進路を決めるときに、恩師から「君のような人にぜひ医者になって欲しい」と背中を押され、本格的に医師に志すことにしました。
小児科医を選んだのは、「子どもが好きだから」という理由が大きいですね。研修で色んな科を回って、どれも楽しく興味深かったのですが、小児科や耳鼻科で子どもたちが元気になっていく姿に一番やりがいを感じました。医師が大変な仕事ですが、子どもたちのためならがんばっていけると思ったんです。
小児科医になって印象深かったエピソードや思い出を教えてください。
小児科医は、コミュニケーションの面でも工夫が必要だと思っています。赤ちゃんや1〜2歳の子たちは自分のことをうまく伝えられないですし、親御さんもとても心配して来られていますよね。診察、伝え方、聞き出し方にも努力が必要で、親御さんとの信頼関係が大事だと感じています。
嬉しかったことは、入院していた6歳くらいの女の子が手紙と手作りのビーズのブレスレットをくれたことです。何度も病室に足を運んでコミュニケーションを取っていたんですが、そのときは反応が薄くて。心を開いてもらえていないのかなと心配していたんですが、手紙には「先生、やさしくしてくれてありがとう」と書かれてありました。
すごく嬉しかったし、これからもがんばっていこうと思いました。大切にしています。
最後に、どのような小児科医を目指しているか教えてください。
小児科の中でもいろんな専門科がありますが、今はまだ、どこに進んでいくかは決まっていません。興味を持つ分野に出会ったときは、一直線に突き進んでいきたいと思います。
今はまず、患者さんやご家族と「一緒に治療をしていこう、一緒にがんばろう」という信頼関係が築けるような医師になることを目標にしています。幅広い分野で患者さんを助けていきながら、自分のスキルも磨いていきたいですね。