育児とキャリアを両立する
女性医師の挑戦と成長
大分県出身で大分医科大学の卒業生です。卒後4年目に結婚し、子どもが3人います。小児内分泌を専門にしています。私の医学部の同級生は4割が女性でしたが、それ以前の女性の割合は2~3割でした。臨床実習で回った大学病院では女性医師がさらに少なかったのを思い出します。
女性医師のキャリアパスは確立されておらず、結婚後はバリバリ働くか、ほとんど働かないか、二分するような時代でした。私も結婚後、見本になるような働きはできず、3人の子育てをしながら時間はどんどん過ぎていきました。
そうしている中、小児科内で育児中の医師の働き方の改革がありました。現教授の井原先生や当時の医局長の方針です。それまで特色の乏しかった育児中の女性医師も専門分野を身に付けていくように勧められました。ひとりは遺伝診療、ひとりは発達障害診療、私は内分泌診療・・と分野を選択し、遅ればせながら内分泌専門医を目指した次第です。
小児内分泌は子どもの成長に直結している分野で、治療は補充療法を行うことが多いです。足りないものを補う、そうすると周りのみんなと変わらない成長や生活に近付くことができる、という考え方がとても気に入っています。慢性の経過の患者さんが多いので、子どもたちの成長を見守ることができるのも診療の楽しみのひとつです。小児科は女性の多い科ですが男女関係無くみな活躍しています。最近は育児中の女性医師もほとんどが専門分野を決め、診療に励んでします。女性医師のみなさんは出産などで足踏みしていると感じることがあるかもしれませんが、また歩き出せばいいんだよ、と伝えていきたいです。