大分大学医学部小児科学講座

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大分大学小児科における研修概要

ともに学びともに創る。〜優しさと強さは子どもたちのために〜

地域医療を基礎にして、世界が驚く研究のできる小児科専門医を育てること。
それが私たちのミッションです。

小児科医は成長、発達の過程にある小児の診療のため、正常小児の成長・発達に関する知識が不可欠で、新生児期から思春期まで幅広い知識と、発達段階によって疾患内容が異なるという知識が必要です。
さらに小児科医はgeneral physicianとしての能力が求められ、そのために、小児科医として必須の疾患をもれなく経験し、疾患の知識とチーム医療・問題対応能力・安全管理能力を獲得し、家族への説明と同意を得る技能を身につける必要があります。

大分大学医学部の初期臨床研修、後期臨床研修、卒後臨床研修制度を詳しくご説明します。

1:初期臨床研修について

◯選択科の期間が12ヶ月と自由度が高く、大学病院以外に約50の協力病院で研修することが可能
◯2年間を通して、大学病院と県内の市中病院のメリットを教授できるプログラム

◯初めに小児科or産婦人科を3ヶ月間研修する
◯初期臨床研修から、小児科および産婦人科のより実践的な医療の習得が可能であり、
 将来、小児科医や産婦人科医を目指す方に最適なプログラム

※全てのプログラムにおいて、協力病院での研修を希望する場合は、
 大分大学病院での研修期間が8ヶ月以上確保できることを前提に可能とする。

◯将来、外科を目指す医師、もしくは外科に進む可能性を持っている医師に最適なプログラム
◯初期研修段階から、外科専門医に必要な手術症例数を経験することが可能

※外科は、次の外科系診療科から選択し研修を行う。
 消化器・小児外科、呼吸器・乳腺外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、形成外科、
 腎臓外科・泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科・頭頚部外科、麻酔科

初期研修は、幅広い医療現場を経験し医師としての視野を広げ、また具体的なイメージを持って自分の将来の進路を選択できるという大きなメリットがあります。プライマリケアから最先端医療まで経験でき、後期研修へスムーズに移行できる大学病院での研修は、そのメリットを生かすことのできる研修です。

大分大学では、初期臨床研修のなかで小児科重点プログラムを選択することができます。
初めに小児科を3か月研修し、初期臨床研修から小児科の実践的な医療技術の習得が可能です。
将来、小児科医を目指す方に最適のプログラムです。
詳細は大分大学医学部附属病院卒後臨床研修センターHPを参照ください。
http://www.med.oita-u.ac.jp/sotugo/

小児科も選択科の中で研修することができます。将来小児科医を目指す人はもちろんのこと、小児の診療を行う可能性がある医師像を考えている人は、是非初期研修の中で小児科を選択してください。
大分大学小児科学講座での初期研修は、研修医の経験・力量を鑑みて、指導医とともに患者さんを分担し、病棟・外来のバランスがとれた経験が出来るように計画しています。
小児科自体が幅広い守備範囲の科ですので、各人の将来像を見据えて研修内容は意向に沿って個別に調整できます。

2:後期臨床研修について -大分大学小児科研修医(専攻医)プログラム-

小児科医は成長、発達の過程にある小児の診療のため、正常小児の成長・発達に関する知識が不可欠で、新生児期から思春期まで幅広い知識と、発達段階によって疾患内容が異なるという知識が必要です。さらに小児科医はgeneral physicianとしての能力が求められ、そのために、小児科医として必須の疾患をもれなく経験し、疾患の知識とチーム医療・問題対応能力・安全管理能力を獲得し、家族への説明と同意を得る技能を身につける必要があります。

本プログラムでは、「小児医療の水準向上・進歩発展を図り、小児の健康増進および福祉の充実に寄与する優れた小児科専門医を育成する」ことを目的とし、一定の専門領域に偏ることなく、幅広く研修します。
専攻医は「小児科医は子どもの総合医である」という基本的姿勢に基づいて3年間の研修を行い、「子どもの総合診療医」「育児・健康支援者」「子どもの代弁者」「学識・研究者」「医療のプロフェッショナル」の5つの資質を備えた小児科専門医となることを目指してください。

専門研修1年目は大分大学病院一般病棟で担当医として研修し、またNICU(新生児部門)で新生児疾患・先天異常疾患を6か月研修します。

2年目以降は連携施設である【アルメイダ病院】・【厚生連鶴見病院】・【西田病院】・【中津市民病院】で1年間、担当医として小児保健・新生児・感染症・救急および地域総合小児医療を研修し、または基幹連携施設である【大分県立病院】にて新生児・先天異常・感染症・循環器および腎・泌尿器の研修を行います。

3年目は上記施設または大学病院ですべての領域で総合的に研修します。3年間を通じ、外来での乳児健康診査と予防接種などの小児保健・社会医学の研修と救急疾患の対応を担当医として研修することが出来ます。

上記以外にも研修先について、各々のキャリアや生活スタイルによる選択が可能です。
詳細は、
大分大学小児科研修医(専攻医)プログラム(PDF)】をご覧ください。

また、大分大学小児科学講座は、大分県や大分市等からの委託事業を運営しています。それぞれの事業に小児科の担当教授や教官がおり、大分県の小児救急医療、地域医療、地域保健などに取り組んでいます。

1)大分こども急性救急疾患学部門医療・研究事業
2)発達障がい児等心のネットワーク推進事業

それぞれの事業を通じ、1次から3次までの救急患者を受け入れる体制の構築と小児科医として欠くことのできない救急疾患の対応、急性疾患の管理も研修可能です。さらにドクターヘリを活用して大分県全域より救急患者の受け入れが可能です。また、関連施設で急性疾患の対応と慢性疾患の初期対応を経験でき、地域の特性と病院の役割に応じて、すべての領域にわたり、もれなく経験できる体制となっています。

初期研修中の、または現在医学生である皆さんが小児領域に興味をもち、本「大分大学小児科研修医(専攻医)プログラム」を閲覧してくれたことに感謝します。私たち小児科医の一番の願いは、こどもたちの笑顔と幸せです。一緒に、こどもたちの笑顔を守り、未来を創造していきましょう。
みなさんが、強さと優しさを兼ね備えた小児科医となる事を心より、応援します。

この専攻医プログラムを終了させることで、小児科専門医試験を受験する際に十分な症例の経験と、実績を得ることが出来ます。
是非、大分大学小児科研修医(専攻医)プログラムについて、お問い合わせください。

メールでのお問い合わせ
小児科医局長:pedikyokuchou@oita-u.ac.jp

3:小児科専門医からサブスペシャリティ専門医へのキャリアパスについて

後期研修を終えると、小児科専門医試験の受験資格が得られます。
最短で研修6年目に小児科専門医を取得することができます。
その後は、サブスペシャリティ専門医を目指す、大学院進学、育児期間を持つなど多様な選択肢があります。
下記 ※3には小児科医のキャリアパスのイメージを示しています。

※3 大分大学小児科 卒後研修キャリアパス

サブスペシャリティ専門医も、基本領域専門医と同様に第三者評価認定の方向にあり、しっかりとした研修プログラムが求められています。
大分大学小児科および関連施設群では、各領域の専門医がおり、関連施設で多くのサブスペシャリティ専門医研修が可能です。

一方、井の中の蛙にならないように、国内外の専門施設での研修の機会も、希望に応じて積極的に設けています。
国内外の研修の際には、大分県の後期研修医研修支援事業、地域中核病院医師研修支援事業が利用できます。
これは、大分県内地域連携病院にて2年間勤務すると、国内や国外の大学、 研究所、病院で研修・研究する機会に大分県と連携病院から600万円支援していただける制度です。
各地で研修から帰ってきた人のフィードバックを受け、自施設での診療、研究のレベルアップを日々重ねています。

大学院進学や、大学で研究歴と業績を重ねて学位を取得することができます。
専門医コースの途中で大学院進学も可能ですし、大学院卒業後サブスペシャリティ専門研修を行うことも可能です。
学位は将来研究者、教育職を目指す場合は必須ですし、留学できる可能性も学位の有無により大きく変わります。
教育、研究ができることも大学病院の大きな特色ですので、自身の臨床経験を踏まえて、生命や病気の本質解明のための研究に取り組む機会もあります。

4:大分県特定診療科医師研修資金貸与制度について

大分県内の病院又は診療所の小児科及び産婦人科において後期研修を受けている医師が対象となります。
月額15万円。3年を超えない期間であれば無利息で貸与します。
貸与期間終了後、小児科か産婦人科において1年以上医師の業務に従事した場合は返還免除となります。
卒後臨床研修性の初期研修時の給料はもちろん、どの科をローテートしていても同じです。
我々の地域医療への貢献が大分県に認められている証拠です。
後期研修の期間は関連施設へのアルバイトも可能になります。
小児科の収入はどこの派遣施設でも、他科と変わるものではありません。給料が同じでも働く口が無いだろうとの心配も無用です。
派遣依頼はたくさん来ているのですが、人手不足のため全てには応じられない状態です。
小児科医のニーズはまだまだたくさんあります。

小児科研修の感想

研修医 森島さくら 患者さんの笑顔や成長を見るととても癒され、励まされます

- 患者さんにとって何が一番良い方法かを再優先にする先生方の行動・考え方をみて、学ぶことがたくさんありました。

私は小児科医を目指しており、研修も小児重点プログラムを選びました。
最初の3ヶ月が小児科で、覚えなければならないこともたくさんありました。しかし、指導医の先生がとても暖かく丁寧に指導してくださり、その症状がなぜ起こるのかを鑑別をあげながら、自分で考える癖がつきました。

患者さんにとって何が一番再優先なのかを考える先生方の行動は、多くの気付きや学びがありました。
また、患者さん本人だけでなく、ご両親の不安を少しでも和らげるために自分に何ができるかを考えるきっかけとなりました。

- 病気を治すこと以外にも、子どものために考えなくてはいけないことがあると実感しています。

ただ病気を治すだけではなく、成長や発達についても考えなければなりません。子どもは本来病気になってはいけない存在です。しかし、病気を抱えてしまったとしても、健康な子と何ら変わりなく生活していくにはどうしたらよいかを考えなければならないと実感しました。

責任も大きく大変な科だとは思いますが、患者さんの笑顔や成長を見るととても癒され、励まされます。
研修2年間を終えて先輩方のような小児科医になれるようにこれからも精一杯努力していきます。

研修医 山本大貴 研修を経て小児科を目指す気持ちがますます強くなりました。

- 研修中は、何をするにも時間がかかり、処置をしている間に一日が終わっているなんてことも珍しくありませんでした。

小児科での初期研修は思っていた通り中身の凝縮した期間でした。
忙しくはありましたが、先生方は気さくで接しやすい方が多く、研修自体はとてもやりやすく、何よりも疾患だけではなく、子どもの対応や、育て方、薬の飲ませ方など多くのことを先生方から学ぶことができ、充実した研修期間でした。

研修中は、相手が子どもということもあり、末梢ルートを確保するだけでも人手を要し、MRI撮像でも鎮静が必要など、何をするにも時間がかかり、処置をしている間に一日が終わっているなんてことも珍しくなかったです。
ただその分、処置をするだけでなく、補助する側にまわることでわかることも多くありました。常に先生方が見て下さっている分フィードバックもしっかりしていただき、多くのアドバイスを頂くこともできました。

- 「この子の命がかかってるんですから」 という言葉がずっと心に残っています。

私は血液腫瘍分野の患者さんを担当することが多かったのですが、指導医の先生、患者さんと家族の必死さが伝わってくる現場でした。
特に、白血病治療中の子どものお母さんが仰っていた「この子の命がかかってるんですから」 という言葉がずっと心に残っています。
今の私ではまだまだ頼りなく、できることも少ないと痛感し、もっと努力しなければならない、この子の成長した姿をみたいと強く感じました。

この研修では、何より患者さんと家族と真剣に向き合っていくことの重要性を学びました。
もともと小児科志望ですが、この研修でますます小児医療への興味と小児科を目指す気持ちを強く持つことができました。