大分大学医学部小児科学講座

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血液・腫瘍疾患

グループ紹介

臨床

私たち大分大学小児科血液・腫瘍グループでは、小児悪性疾患(血液腫瘍や固形がん)、貧血や血小板減少・好中球減少などの非腫瘍性血液疾患、血友病などの凝固線溶系疾患および血管奇形・血管腫を主とする良性疾患も診療しています。
当小児科は、大分県で唯一の小児非血縁者間造血幹細胞移植を施行する診療科を申請しており、難治血液腫瘍性疾患、固形がんの治療として造血細胞移植を行っています。

小児がんは成人がんに比べて「患者さんの頻度が少ない」けれども「疾患の多様性」があり「治療法の進歩により治る患者さんが多くなった」事が特徴です。
この治療成績の向上にはグループスタディが寄与するところが大きく、小児白血病・リンパ腫、小児固形腫瘍いずれも日本全国で共通プロトコールが進行中です。
当小児科も小児がん臨床研究に参加し、中央診断施設との連携をとりながら診断・治療を実施しています。
詳細は、以下のHPからも参照できます。

一方、非腫瘍性疾患については再生不良性貧血の治療研究を実施、さらに先天性溶血性貧血や難治性ITPにおいては当院小児外科と協力して内視鏡での脾摘術を行っています。
また、凝固線溶系疾患では血友病患者さんに対する凝固因子の定期補充療法、プロテインC欠乏症など抗凝固療法を必要とする先天性疾患に対する最新医療も提示しています。
スタンダードな治療と、最先端の臨床研究を両方、実体験できるのが大分大学小児科血液・腫瘍グループの醍醐味です。

教育

小児科専門医取得に際して、小児血液・腫瘍性疾患を担当することが必須です。後期研修の際、大分大学小児科研修医(専攻医)プログラムにて大分大学医学部附属病院の研修期間中に患児を受け持ち、しっかり患者さんと向き合う事で十分な経験を積むことが可能です。

後期研修が修了し、小児科専門医取得後は専門領域の研修を受ける事が可能です。当院は日本血液学会および日本小血液・がん学会から専門医教育施設としての認定を受けており、専攻医の研修プログラムに沿って研修を受け、試験に合格することで血液専門医や小児血液・がん専門医を取得出来ます。さらに造血細胞移植認定医も取得可能です。

学内では週一回、入院および外来患者さんの診断・治療方針についてのカンファレンスを実施しています。学外の関連病院に出向した際は、研究日を希望し、基礎・臨床研究を実施する事も可能です。学内他科との協力では、腫瘍血液内科と交互主催で研究会を開催し、学内外の先生方も参加して臨床および基礎研究を発表しています。
また、月一回「九州・沖縄ブロック小児がん拠点病院テレビ会議」に参加し、九州沖縄の小児がんを担当する医師と意見交換を行なっています。テレビ会議以外にも「九州山口小児血液・腫瘍研究会(主に福岡)」「JACLS総会・例会(大阪)」「JACLSセミナー(全国持ち回り)」をはじめとする研究会に参加・開催しています。これらに参加する事で、様々な血液腫瘍性疾患の最先端の情報を得る事が可能です。

研究

以下のプロジェクトを進行・計画中です。全国学会(日本血液学会、日本小児血液・がん学会、造血細胞移植学会、日本小児科学会等)で発表し、論文化を目指しています。
真摯に、かつ楽しく研究しています。興味を持ってくれる若い力を大募集!

白血病・リンパ腫関連

小児急性リンパ性白血病(ALL)における治療後の成長率の変化
JACLS(ALL02protocol)の強化療法ランダム化試験の治療成績
小児急性骨髄性白血病(AML)細胞のメチル化の評価

固形腫瘍関連

神経芽腫の難治・再発に関わる因子の検討
小児脳腫瘍に対する造血幹細胞移植を含む治療法の検討
希少難治小児固形腫瘍の治療研究

長期フォローや合併症の予防・治療

がん患児、特に小児がん生存者のQOL研究:教育、福祉との連携(科学研究助成事業(若手研究B):平野主任研究者)
固形腫瘍患児の認知機能の評価と就学支援(科学研究助成事業(基盤研究C):末延主任研究者)
新生児・乳児に発症する特発性血栓症の病態解明および治療管理法と根治療法の確立に関する研究(AMED大賀班:末延分担研究者)

非腫瘍性血液疾患

溶血性貧血の分子診断
免疫性好中球減少症の確定診断と予後
ITPの慢性化に関する因子の同定

血管奇形・血管腫、神経皮膚症候群の臨床基礎研究

難治性血管奇形の基礎及び臨床研究
Proteus症候群の体細胞Akt1変異

患者支援

がんの子どもを守る会において、定期的に開催支援を行ない、また基調講演を行なっています。
(参考)がんの子どもを守る会(九州北支部)
http://www.ccaj-found.or.jp/about/branch/kyusyu_north/

求められていること、今後のミッション

小児血液・腫瘍性疾患の診療に関して大分県内での主導的立場として患者さんを受け入れ、かつ、各地域で治療可能な疾患においては綿密に連携を行って診断治療を遂行していくことが最大のミッションです。
日本の小児血液腫瘍領域のグループスタディは現在大きな進化を遂げています。前記の小児がんの専門医らでつくるNPO法人「日本小児がん研究グループ」(JCCG)は、2014年からはじまった若いグループでが、白血病などの血液がんと神経芽腫や脳腫瘍などの固形がんといった種類別に分かれていた研究グループを統合し、新しい治療法や新薬開発を進め、研究の安全性の検証なども行う全国的なグループです。
小児血液・がん学会や、このJCCGに積極的に関わり、今後更にグローバルに活躍し、かつ、ドメスティックな活動も継続して行きたいと思います。