「休みが少ない」「とにかく忙しい」
というイメージを持たれていることが多い小児科医。
大分大学小児科学講座は2年前から「働き方改革」を実施しました。
実際にどのような変化があったのか、4名の先生にお話を伺ってきました。
清田:清田今日子、医師歴10年目で専門は腎臓疾患と泌尿器疾患、外来もしています。今、妊娠中です。
久我:小児科病棟医長の久我です。専門は小児救急で、医師歴は18年目になります。いろんな背景を持った医師がはたらきやすい環境づくりが今いちばん興味を持って取り組んでいます。
平野:医師年数8年目の平野です。今は病棟で血液腫瘍の患者さんを見ています。去年の12月に第三子が生まれたばかりなので、夜泣きで毎晩大変です。
森島:森島さくらです。医師年数は二年目で、研修医を終えて今年の春から小児科の専攻医として働きはじめます。
久我:今日はいい話ばかりじゃなくて、だめな部分も話していこうと思います。とにかくみんな、楽しくざっくばらんにいこう。
久我:朝は今どれくらいの時間から大学に来てる?私と森島先生は早いよね。
森島:だいたい7時には来ていますね。1時間くらい早く来て、勉強しています。
平野:僕は今7時45分くらいです。
久我:平野先生は子どもが小さいから朝大変じゃない?
平野:引っ越す前は子どもを幼稚園バスに乗せてから出勤していたので、8時10分頃に出勤していました。引っ越してからは、送り迎えになったので、妻に任せて、それくらいの時間ですが、子どもも早起きなので食事や着替えの手伝いは少ししています。
清田:私は、今はゆっくりめです。妊娠後期なので朝がきつくなってきました。副病棟医長なので、朝は全体の状況を把握をするために時間を使っています。夜は19時半には家に帰っていますね。
久我:土日の働き方って大きなポイントだよね。うちは今、働き方を変えていっているけど、以前は基本的にフル勤務だった。
清田:そうですね。それが当たり前だったし、地域の病院に勤務していた時は365日オンコールだったので、あまり違和感はなかったですね。
平野:土日は家にいられなかったし、帰りも遅かった。あのころは妻からの評価は100点満点中50点くらいだったと思います。
清田:いつ呼ばれるだろうって思いがあるから、休みでも休めてない感じですね。でも昔はそれが当たり前だった。
久我:それが医師のあるべき姿だという人もいるよね。
清田:気になる患者さんがいるときは今も土日は来ていますけど、前の状態がよかったかどうかと言われると…きつかったですね。
森島:刻一刻と状況が変わっていく患者さんがいるときは、やっぱり自分の目で診たいですね。症状が落ち着いているときは、医師も交代して休むことが患者さんのためにもなると思います。
久我:血液腫瘍グループは、日々患者さんと向き合っているイメージがあるんだけど、「日曜日休みます」ってご家族に言ったときどんな感じなの?
平野:最近は「先生も休んでください」っていうご家族が増えてきた印象がありますね。
久我:血液腫瘍グループは引き継ぎや情報共有がしっかりしてるよね。
平野:そうですね、チームでやれているから任せられるというのもありますし、「明日はこの先生が当直できちんとつなぎます」って説明もしてます。
清田:仕事と自分の生活にメリハリをつけるとリフレッシュできるから、患者さんを診るときに思考がクリアになっているところがあります。
平野:常に100%、120%で走り続けるのは難しいですね。
清田:ただ、重症の人たちは昔のスタイルで見た方がいいと今でも思っています。
久我:私もそう思う。その時のために体力を温存して、大切なときにがっちりと向き合うほうがいいだろうね。
久我:奥さんからの評価はどうだろう、今現在は何点か聞いてみた?
平野:70点って言ってましたね。
久我:子どもの世話や育児には関われているかな?
平野:土日は家族で遊びに行きますし、平日の夜でも絵本の読み聞かせをしてますね。子どもたちに積極的に関われていると思います。
清田:久我先生のご家族の満足度はどうなんですか?
久我:私のところはね、まだ評価は低いかな。ある程度家事はする方かもしれないけど。
平野:いい旦那さんだと思いますよ。PTAの読み聞かせにも参加してるんですよね、お子さんの学校の。
久我:そう、うちのいいところは、井原教授に「子どもの学校に絵本の読み聞かせに行くので朝は来ません」っていって休むんよ。
平野:PTAとか運動会とか、子どもの行事のときは僕も休ませてもらいますね。
久我:今の課題は、宿直明けに家に帰れていない。私は土日も学会や講習会に出ることが多くて留守が多いから家族は不満なのかもしれない。