僕の仕事は、赤ちゃんと家族が
幸せになるお手伝いをすること
です。
田舎育ちの私は小さいころから虫とりが好きで、将来は生物学者になって研究がしたいと思っていました。
進路について考えたのは高校生の時です。生物を研究するなら何がいいかなと真剣に悩みました。
虫かな、魚かな、爬虫類も捨てがたい、いやいや鳥類だっていいなとか。
ただ、何のために研究するのかを考え時、仕事もして家事もしている母の姿や、仕事が忙しいのに時間を作ってってくれていた父の影響で家族を幸せにできる研究はないかなという思いに至りました。
それならば人の研究をするのが近道だと思い、医者になることに決めました。
小児科を選んだ理由は、全力で人を助けて、その家族に幸せになってもらいたいからです。
小児科以外の科も、もちろん全力を尽くしていないわけではありません。ただ、どうしても万人に訪れる加齢に対して、これは老化だからと許容したり、これは病気だからと治療したりという線引きが私の中では難しいなと感じました。
子どもは歳を重ねて成長します。病気で大きな怪我をしても、成長という計り知れない強みをもち、可能性は無限大です。
そんな無限の可能性がある子ども達だからこそ、全力で助けたいし、それだけの価値があると思っています。
私の仕事は、生まれたばかりの赤ちゃんとお母さん、それとお父さん、あとはその家族たちが幸せになるような
お手伝いをすることです。いわゆる新生児医療をメインにしています。
ただ、他の人の家族の幸せばかりに尽力して、自分の子どもたちに寂しい思いをさせることだけはしたくないので、
出来る限り家庭との両立を図っています。
具体的には当直じゃない日はほぼ毎日、子どもを保育所に迎えに行って、連れて帰って、ご飯を食べさせて、お風呂に入れて。
ちょっと遊んだり、本を読んだりしたら、寝かしつけて、また朝は保育所に送ってをしています。
仕事と家庭の両立というと格好よさそうに聞こえますが、妻も仕事をしているので、
私も育児をしないと家庭が成り立たないのが現状です。
でも、仕事も育児もやるのはとても大変ですが、どちらもとても楽しいのでそれほど苦ではありません。
仕事と家庭の両立は私の力だけでは到底できません。
同僚の方々の協力に支えられており、大分大学小児科はこんな働き方も理解してくれています。
この先、子ども達が一人で通学や身支度ができるようになるまでは医局に迷惑をかけるかもしれませんが、
日々努力を惜しまず、病気の子ども達の家族と自分の家族が笑顔で過ごしていけるようにしていきたいと思っています。