小児の内分泌疾患・先天性代謝異常症を中心に診療するとともに、遺伝性疾患の相談窓口として対応しています。
アミノ酸代謝異常症、糖代謝異常症、金属核酸代謝異常症、ムコ多糖症、脂質代謝異常症などの先天性代謝異常症と、下垂体機能低下症、甲状腺疾患、副腎疾患、性分化疾患、糖尿病、カルシウム・リン代謝異常症などの小児内分泌疾患や、さまざまな遺伝性疾患の診療を行っています。
また、大分県では平成26年4月に開始された新しい新生児マス・スクリーニング検査(タンデムマス)陽性例に対応する県内唯一の精密検査実施医療機関に指定されています。
さらに学校腎臓・糖尿病検診の精密検査機関として糖尿病の早期診断と治療を行っています。
小児内分泌学に関するカンファレンスや勉強会を積極的に開催しています。学内では症例検討会を定期的に行い、学外では小児内分泌代謝に関わる研究会を企画し開催しています。
日本内分泌学会内分泌代謝科の認定教育施設、日本糖尿病協会の連携教育施設に認定されており、専門診療に関わる医師の臨床力の向上を図りながら専門医の取得を目標とした指導を行っています。先天代謝異常症に関しては、九州先天代謝異常研究会や各種研究会などを通じて、稀少疾患の診断と治療に関する最新医療を習得する機会を通して、医療水準の維持向上に努めています。
厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)「早老症の病態解明、診断・治療法の確立と普及を目的とした全国研究」の研究分担者を担当し、特に超稀少疾患であるHutchinson Hutchinson-Gilford Progeria症候群(HGPS)の診断基準策定のための疫学調査ならびに臨床研究を進めています。
小児希少・未診断疾患イニシアチブ(IRUD-P)や全国の大学・研究室と連携し、小児期のさまざまな遺伝性疾患について遺伝学的解析による病因解明を進めています。特に大分大学医学部細胞生物学講座と協働し、患者さんに同定された新規遺伝子変異による病態形成メカニズム解明のために培養細胞やモデル動物(セブラフィッシュなど)を用いた基礎研究を進めています。
その他、小児の生活習慣病、1型糖尿病、サルコペニアの臨床研修を行っています。
こどもたちの健康の向上のため、日々研鑽いたします。
小児内分泌、先天性代謝異常症、遺伝性疾患の診療に関しては、大分県内の専門医療の水準を維持向上させることが私たちの役割です。
全国の大学や研究施設と連携し、学会や研究会などを通じて情報を共有しながら大分大学小児科からのメッセージを発信しています。
臨床のみならず基礎研究にも力を注ぎ、学内の研究施設と連携し独創的な大分大学発の研究を打ち出し、成果を全国に向けてアピールしたいと思います。