Q&A
大分大学小児科学講座の採用に関するよくある質問をまとめています。
- 小児科は男女どちらが向いていると思いますか?
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小児科は他科に比べて守備範囲がとても広く、やろうと思えばまさに何でもやれるところです。
バリバリの救急救命医療から、腰を落ち着けてゆっくりと診療する心身症まであらゆる領域をカバーしており、“向き・不向き”というのは小児科にはありません。
あえて言うなら、“女性にも男性にも向いています”。
- 重症の子どもを見るのは耐えられないです。子ども好きは却って向いてないように思いますが?
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当教室の先生達はみんな子どもが好きですが、そうでなければ重症の子どもに最後まで全力を尽くすことは困難です。
子ども好きの人にこそ、小児科医になって欲しいと思いますし、逆にそんなに子どもが好きではなくても一旦小児科に入れば、あまりのかわいさにみんな子どもが好きになります。
ちなみに大学病院のような3次機関以外では子どもはめったに病気で亡くなったりしません。
- 子どもに好かれないとやっていけないのでしょうか?
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例えば熱を出した3歳の子どもが、親にむりやり連れてこられて、裸にされて聴診器を当ててくる初対面の医者をいきなり好きになってくれるとは到底思えません。もっともな心配ではありますが現実はそんなものです。我々の仕事は、子どもとお友達になることではなく、子どもの健康を守ることです。ですが、長期入院の子どもたちとはまず間違いなく仲良くなれます(少なくとも子どもはそう思っているようです)。
- Generalな医者になりたいのですが小児科はどうですか?
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お勧めします。我々小児科医は心停止で担ぎ込まれた患者さんが80歳の高齢者でも基本的な蘇生はこなせますが、逆に生まれたばかりの赤ちゃんでも対応ができるのは小児科医だけです。
点滴や採血が一番巧いのは一般論としては小児科医です。挿管チューブはカフ無し2.5mmからカフ付き8.0mmまでを使い分けます。喉頭鏡は2種類のハンドルと5~6種類のブレードを使いこなします。
ガス麻酔を使える小児科医は稀少でしょうが静脈麻酔なら3~4種類を使い分けます。
高度な救急診療だけでなく僻地診療においても小児の診療が必要とされているのは言うまでもありません。
- 小児科と小児外科との関係は?
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小児科で診断した外科的治療の必要な患児を小児外科の先生にお願いして手術していただきます。
小児外科が独立してある大学とは違い、術後は小児科で管理することもありますし、しばらく経ってから、小児科病棟に戻ってくる場合もあります。とても良好な関係が築けております。同様に、腎・泌尿器科的疾患は泌尿器科と、気道に関する手術は耳鼻咽喉科と、また、眼科、外科、産婦人科、歯科口腔外科、整形外科、精神神経科、内科、皮膚科、放射線科、麻酔科、脳神経外科・・・などなど、いろんな科と共同して患者さんの診療を行っています。小児科医は子どもにまつわる医療問題に対するオーケストラの指揮者なのです。
- 小児科医は他の分野に比べて難しいですか?
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医学はどの分野でも奥が深く、その理解に努力を必要とします。小児科が他科と比べて、特に難しいということはありません。
何に興味があるのかという事が最も大切な事だと思います。
- 小児科って何歳までの患者さんが対象なの?
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定められた年齢制限はありません。普通の開業医さんでは高校生になると患者さん自身が小児科受診を恥ずかしがり、内科を受診することがあるかも知れません。一方で、乳幼児期から長期のフォローアップが必要な患者さんは、成人しても「ずっと診てもらっている先生の方が安心」とのことで、小児科を受診されることが多いです。小児科は「成長と発達の科学」ですから、発達途中の患者さんの全てが対象となります。小児科病棟には、高校生や成人の患者さんが入院することもあります。500gの赤ちゃんから100kgの成人まで、小児科の守備範囲はとても広いのです。