いつまでも学ぶ姿勢を
持ち続けられることが、
小児科医の魅力だと思います。
宮崎県の高校を卒業後、両親の地元である大分大学に進学しました。
私は最初から小児科医になりたいと思っていたわけではありませんでしたが、学生時代の実習や卒後の初期研修の中で、患児やその家族と真摯に向き合い信頼される小児科の先生方に多く出会えたことが、小児科医を目指すきっかけとなりました。
私は、臨床遺伝学、先天異常症候群、神経疾患の分野を専門に勉強しています。小児科医として働く中で、遺伝子や染色体の異常により起こる様々な先天異常の子どもさんを担当しました。生まれつきの病気、ということに大きなショックを受けながらも、我が子と真剣に向き合う親御さんの姿をみて、心から尊敬の念を抱き、力になりたいと強く思いました。
先天異常には、国内患者数の少ない稀少疾患といわれる病気も多く含まれます。稀少疾患は多くの場合、身近に同じ病気の子がおらず、情報も少ないため、自分の子どもの病名がわかっても、それがどのような病気なのかよくわからない、今後どのようになってゆくのかわからない、そんな漠然とした不安を抱えることになります。不安を抱える患者さんやそのご家族に時間をかけて寄り添い、その子の一生が少しでも明るいものになるよう、努力していきたいと思っています。
小児科で扱う疾患は多種多様で、おそらくどんなに経験を積んでも、新たな経験したことのない病気と向き合うことの繰り返しです。だからこそ、いつまでも学ぶ姿勢を持ち続けられることが、小児科医の魅力だと思います。大分大学小児科は決して大きな医局ではありませんが、入局時から医局員ひとりひとりが大切にされている実感がありました。女性医師は、第一線で働くことをどこかで諦めなくてはいけないのかというと、それは違うと思っています。働き方に悩むことはありますが、自分にしかできない専門分野を確立し、存在感を持って働けるよう、励んでいきたいです。