実は・・・小児科医になろうとは思っておらず、漠然と内科医になろうと考えていたんです。
初期研修の2年間、小児科が無い病院で研修をしていたんですが、研修が終わる2ヶ月前に「このままだと子どもたちを診れないまま医師になってしまう・・・」と考え、2ヶ月間だけ外部の別府医療センターの小児科で研修をさせてもらいました。
そこで、子どもの正直さ、無邪気さ、かわいさに魅了されてしまい半ば勢いで小児科医になることを決意しました。
はじめは勢いだけだったかもしれませんが、小児科医としてスタートし、周りの方々にいろいろ教わりながら毎日充実した日々を過ごせていて、この選択は正しいものであったと心から実感しています。
小児科医は専門範囲が全体に及ぶので、担当する患者さんによって臓器の異常があってもその都度勉強しなければいけなかったりと、知識が足りないことに苦労しています。専門科医であれば特定の分野を深く診ていくことが重要ですが、小児科医は幅広い視点で物事を判断する能力が求められますので、その点は大変かなと感じています。
現場で一番苦労しているのは「手技」をする時ですね。子どもは基本的に暴れますし、泣くのはいいんですが血管が細いのでなかなか注射が難しかったりと・・・。
でも、ここは数をこなして経験を積んでいくしかないんですけどね。
やっぱり入院していた子が退院する時が一番うれしい時ですね。
そうですね。
やっぱりずっと診ていた子ども達が元気になって退院して帰る時や、「ありがとう」って言って似顔絵を書いてくれた時はうれしかったですね。
子ども達からは「じゅん先生」とか「おっちゃん」とか言われることもありますが、無邪気に気兼ねなく声をかけてもらえることも、「あ~小児科に来て良かったなぁ」と思える瞬間です。
結果が一番大事なので、知識を身につける勉強をしたり、技術を身につけていくということは大事なことなんですが、
まずはお母さんや子どもさんから「安心」して「信頼」してもらえる医師になることが大事なのではないかと思っています。
当たり前のことですが、どの親御さんも自分のお子さんに対しては必死ですよね。
その辺を気にしつつもうまく立ち振る舞えているかどうかはまだ分かりませんが、学ぶべき技術を確実に身につけて、
子ども達とそのご家族の笑顔に少しでも寄与できるように頑張っていきたいと思っています。
吉岡先生はなぜ「医師」という職業を
目指そうと思われたんですか?
いろいろな経緯があって今は「医師」としてスタートしましたが、実は他の先生のように高い志があって医師を目指したわけではなかったんです。
高校の時にすごく成績がよかった訳でもないですし、勉強していたというわけではなかったですからね~(笑)
ただ、「健康」って人にとっては一番大事な部分じゃないですか。その点に関われるということ、喜ばれる仕事ができるというところにやりがいがある仕事だと思って医師を目指しました。