大分大学医学部小児科学講座

私が小児科医になった理由

新入局員 若山 愛海

医師、そして小児科医という職業を志したきっかけは
何だったんですか?

小児科医の父、助産師の母の影響が大きいと思います。
開業医の父が地域の患者さんと接している姿をずっと見ていたので、子どものころから「お医者さんになりたい」という想いは、ぼんやり抱いていました。
漠然とした気持ちが小児科医へ向かいはじめたのは、小学生のころに聴覚に障がいを持った友人ができたことがきっかけです。とても仲が良かったので、彼女と話がしたくて私も手話を覚えたりしていました。でも、普段の生活の中で、彼女が困っている姿を何度も見ていたんです。

大分で生まれ育った人間として地域に貢献できる医師になれたらいいな、という想いと、障がいを持った子どもたちが困らないように手助けしたい、子どもたちが毎日笑顔で過ごすための力になりたいという気持ちが芽生えはじめ、小児科医を志すようになりました。

小児科医になって印象深かったエピソードや思い出を教えてください。

やはり、亡くなってしまった患者さんのことは忘れられません。
そのお子さんのことを思い出して、もっと他にもできることはなかっただろうかと考えてしまうことがあります。

もちろん、小児科医として喜びを感じることもたくさんあります。
NICUに800gで産まれてきた赤ちゃんがいたのですが、今まで赤ちゃんに触れる機会もあまりなかったので、「こんなに小さい赤ちゃんに触ってもいいの?」と最初はおそるおそるケアしていました。
今は2000gにまで育ってくれたんですが、どんどん成長してくれている姿を見ていると、小児科医としての喜びを感じますね。「赤ちゃんの生命力って本当にすごいな」と、感動します。

最後に、どのような小児科医を目指しているか教えてください。

子どものころから、地域の病院や医師が不足しているという話は聞いていたので、自分が生まれ育った地域に貢献していける医師になりたいという想いはありました。
小児科医として働く父の背中を見て育っていたので、「小児科医」が楽な職業ではないことはわかっています。それでも、元気になって帰っていくお子さんの姿や、ご両親のほっとした笑顔を見ていると、どんなに大変でもこの道を進んでいこうと思うんです。
難聴の友人のそばで過ごしていた経験もあって、将来的には小児難聴を診れるようになっていきたいという気持ちもあります。ゆくゆくは父の跡を継いで、地域の頼れる小児科医として活躍していきたいですね。