小児科医になりたいと思ったのは、自分が子どものころに出会った小児科の先生の影響もあります。風邪やインフルエンザでつらいとき、病気の原因も分からず不安になる中で、先生がとても優しく接してくれた思い出が心に残っています。
その経験から、自分も子どもの不安を和らげられる先生になりたいと思うようになりました。総合診療科に興味を持った時期もありますが、初期研修でいろいろな診療科を回っても、小児科に進みたい気持ちは変わりませんでした。
進学時に大分大学を選んだ理由には、地元の宮崎よりも受験科目が多い環境で挑戦したい気持ちと、県外で学びたい思いもあって大分大学を選びました。
大分大学小児科学講座との関わりは大学4年生の研究室配属から始まり、そのころから医局の雰囲気の良さを感じていました。実習で病棟や外来を回ったときも、先生方が優しく接してくださった印象があります。
独自のテキストや症例をもとにしたディスカッションもあり、ただ講義を聞くだけではない学びやすさがありました。優しい先生方が多く、安心して学べる環境だと感じたことが、入局を決めた大きな理由です。
初期研修は地元・宮崎県の市中病院で行いました。風邪や胃腸炎など、比較的重症ではない患者さんを外来で診療し、自宅へ帰っていただくケースが多かったと思います。
一方、大学病院ではより重症の患者さんや、初めて経験する疾患を担当する機会がたくさんあります。必要な知識も多く、検査の選び方も難しいため、日々学ばなければならない場面ばかりです。
これまでは上級医の先生が行う説明や手技を見学する立場でしたが、今は主治医として、自分で考えて治療を計画し、実際に動く立場になっています。十分に見通しを立てられないまま緊張する場面もありますが、その一つひとつが成長につながっていると感じます。
新生児や乳幼児の採血、点滴ルートの確保はとても難しいです。血管が細く、赤ちゃんの腕も本当に小さいので、毎回緊張します。それでも血液が返ってきて、うまくいったと分かった瞬間は「よっしゃ」と思います。まだまだ修行中ですが、少しずつできる手技が増えていくのはうれしいですね。
子どもは処置のときに怖がったり泣いたりします。だからこそ気をそらしたり、「今からちくっとするよ」と声をかけたりしながら進めています。
大人の患者さんとは違う配慮が必要ですが、不安を少しでも和らげられる関わりを大切にしたいです。
これから目指したいのは、子どもたちの不安や気持ちに寄り添える小児科医です。小児科を志した原点も、子どものころに優しく接してくれた先生の存在でした。自分も同じように、子どもの怖さや不安を少しでも和らげられる医師でありたいです。
患者さんだけでなく、先生方や看護師さんなど、他の医療スタッフからも信頼される医師になりたいと思っています。小児医療は一人で完結する仕事ではありません。周りの方々と連携しながら、子どもにとってよりよい医療を考えられる存在を目指したいです。
将来的には、市中病院や地域の病院で頑張りたいという思いがあります。小学校6年生のとき将来なりたい職業について調べて発表する機会があり、そのときに都市部と山間部の医療格差を知ったんです。子どもながらに「そんな状況があっていいのかな」と疑問を持ちました。
自分一人で解決できる問題ではありませんが、地域の医療に少しでも貢献できたらと思っています。
小児科は、子どもと関わるのが好きな人にとって、とても魅力のある診療科だと思います。
大分大学小児科学講座は、あたたかく受け入れてもらえる雰囲気がありました。小児科に進むか迷っている方にも、ぜひ選択肢の一つとして考えてもらえたらうれしいです。
医師、そして小児科医を志したきっかけを教えてください。
医師を目指す原点になった、叔父の背中
医師を志したきっかけの一つは、循環器内科医として働く叔父の存在です。子どものころから身近な存在で、小学生のときには叔父が働く病院を見学させてもらいました。
救急車が入る場所を見たり、命に関わる現場で叔父が活躍している話を聞いたりして「すごいな」と感じました。小学校5、6年生のころには、将来の職業として医師を意識するようになっていました。