最初に意識したのは中学生くらいからだと思います。僕の父が医者をしていて、休みの日でも献身的に働く姿を小さいころから見ていたので、こんな仕事ができたらいいなあという思いは漠然とありました。
小児科を意識したのは、随分あとになってですね。それまでは、おじいちゃんおばあちゃんに頼りにされる医者になりたいな、と思っていました。父が神経内科だったので、そのイメージが強かったんだと思います。
実際に研修で色んな科を回ることになったとき、1年目で回ったのが小児科でした。そのときに、「楽しい」と思ったんです。小児科ってものすごく忙しいんですが、その忙しさが嫌だと全く思わなかった。小児科が自分に合っているのかもしれないと思って、2年目のときに小児科医になろうと決めました。
症状の重い患者さんが入ってくることももちろんあるんですが、治療が効いていい方向へ向かっているときに、患者さんのお母さんが見せてくれる笑顔はやっぱり印象に残りますね。そういうほっとした笑顔を見た瞬間に、とてもやりがいを感じます。
現在、僕は新生児科のNICUで働いているんですが、新生児科って研修時代にも経験したことがなかったし、今までの自分が接してきた小児科の病棟の患者さんたちとは体の大きさもなにもかも違う。その点は苦労というか、困惑しているという感じですね。体が小さい分、注射を一回するだけでも大変です。
病気を治すだけではなく、ご家族にも配慮ができる医師になっていけたらと思います。ご家族の不安も取り除いてあげられるようになりたいんです。ご家族の方にも気になることはなんでも聞いてもらいたいですし、しっかりと説明しながら処置を行える医師になっていきたいです。 研修医のときは呼吸器の感染症を見る機会が多かったんですが、こちらでは今までとは全く違う疾患を見ています。こういうふうに色んな分野を見て、3年後くらいには自分の専門を決めて知識を深めていきたいですね。