私は医師の家系出身ではなく、小さいころ母親と一緒に見ていた医療ドラマに影響を受けて、医師への憧れを持つようになったのがきっかけです。具体的に医師を志したのは、高校生の文理選択のときです。将来について考えたときに、医師として人の役に立ちたいと強く思いました。
もともと子どもが好きで、保育園の先生や学校の先生になりたいと思っていた時期もありました。医師になるなら小児科しかない!と、医師を志すと同時に小児科医になることを決めていました。
進学時に生まれ育った地元に貢献していきたいという想いがあって大分大学を選び、医局も大分大学小児科学講座へ入局しました。
また研修で小児科を回っていたとき、患者さんの病気の検査・治療方針だけではなく、今後の成長、家庭や学校での生活、ご家庭のケアまで含めた長期的な視野で、小児科全体で考え議論している先生方を目の当たりにし、非常に感銘を受けました。そのときに感じた「私もこの一員になりたい」という気持ちが、研修医時代を経て一段と強くなったことも入局を決めた理由のひとつです。
研修医時代、正直「自分は小児科医に向いていないのではないか…」と悩んだこともありました。責任の重さや難しさを実感することが多かったんです。でもその度、小児科の先生方の尽力されている姿や、子どもたちの笑顔に励まされていました。
特に生まれてすぐに入院して体も小さかった赤ちゃんが、自分の口でミルクが飲めるまで成長した姿を見たときは、とても感動しました。親御さんと喜びを共有できたこともうれしかったです。病気を治療することに加え、子どもの成長をサポートできていると実感できて、小児科医の魅力を再認識しました。どんなに忙しくても子どもたちの笑顔や元気な姿を見ると、この子たちのためにもっと頑張りたい!と思わせてくれます。
私は大分県地域枠の医師のため、医師3年目の現在は大分県からの派遣で済生会日田病院の救急科で働いています。ここでは、他の診療科との連携が必要になる機会がたくさんあるので幅広く学ぶことができ、どんどん視野が広がっている実感がありますね。この経験は、来年から小児科専攻医としてスタートしたときにも活かしていけると思っています。
いつまでも初心を忘れず、患者さんやご家族の気持ちに寄り添える小児科医になりたいです。知識や経験に驕らず、いつも患者さんと同じ目線で悩んだり励ましたりできる医師になれたらいいなと思います。
また、大分県の地域医療にも貢献していきたいです。今働いている日田病院は提供できる治療に限界があり、車で1時間以上かかるような距離にある大きな病院に患者さんをお任せすることがあります。私はずっと大分市内で育ってきたので知らなかったのですが、やはり地方では設備や医師が不足しているという現状を実感しました。将来的には、大分県の地域医療に貢献できる医師になっていきたいです。