正直、毎日苦労はしています。点滴ひとつ、検査ひとつとっても
大変です。
でも、父の姿から「医者ってものすごく大変な職業だ」と思い込んでいたのですが、実習を経てそうじゃない部分もあるんだなと感じました。もちろん忙しくて大変なんですが、色んな患者さんと関わっていくうちに、やりがいを感じたり、想像以上に楽しいと思える部分が多かったり。
体調が悪い患者さんたちが入院していると、明日こんな症状になっていたらこうしてみよう、こんな処置はどうだろうと考えて、夜な夜な目が冴えたり、眠れない日が続いたりすることもあります。でも、来たときはぐったりしていた子が、
元気になって帰っていく姿を見ると嬉しいですね。
現在、中津の市民病院で子どもを保育園に預けながら小児科医として働いているんですが、今後は何か自分の専門を持ちたいなと思っています。今は幅広く色んな分野を勉強しているという段階なので、まだ専門が決まっていないんです。大学に戻ってきたら、専門を持ってよりいっそう小児科医として成長していけたらと思っています。
医師、そして小児科医という職業を志したきっかけは
何だったんですか?
父が眼科医をしていて、幼いころからずっと父の背中を見てきました。私にとって「医者」という職業はすごく身近なものなんです。父を尊敬していたこともあり、
高校で進路を選択するときに医学部を目指そうと思ったのも自然な流れでした。
実は小児科という選択肢は、当初あまり頭になかったんです。父と同じ眼科医か、外科もいいなと考えていました。
「小児科も回ってみようかな」と思ったのは、研修医の間に自分に子どもが生まれたことがきっかけです。自分が母親になったことで、子どもたちに惹かれるようになりました。実際に小児科を回ってみたら、患者さんたちがすごくかわいくて、楽しくて。自分に合っていると感じました。