わからないことが多すぎて大変という点では苦労しました。
想像以上に過酷で大変だな、と感じました。
大人の治療とは違って、患者さんとの関係性は1対1ではなく、ご家族の気持ちも考えないといけませんよね。小児科は大変だという思いもあったし、他の科も魅力的に思えて、自分は小児科医としてやっていけるのだろうかと迷った時期もありました。
でも、小児科の先生方の姿に励まされたんです。先生方は、絶対に諦めない。絶対にこの子をよくしよう、治そう、という気持ちで動いている先生方を見て、こんな医師になりたいという思いが強くなりました。
実際に、退院した患者さんと外来で再会して、大きくなったなとか、今は元気に生活を送っているんだなと実感できたときは、本当に嬉しいです。
逆に、自分のほうが患者さんから元気をもらっていると思うこともあります。
子どもの成長を見届けられるのは、小児科医のやりがいですよね。
今は日々の業務をこなすことに必死で、自分の専門もはっきりとは決められていません。
迷いもありましたが、「こんな医師になりたい」と思える先生方と出会え、患者さんと触れ合う中で、今は「小児科医になってよかった」と心から思っています。
小児科の魅力は、ひとつの臓器だけではなく、「子ども全体」を診るところにもあると思っているので、まずは総合的に子どもを見ていく医師になりたいですね。
最終的な患者さんの貢献と考えたときに、いずれ専門を見つけたあとは、しっかり研究もやっていきたいです。
なんでも診れる+専門を持ってひとつの分野を高めていき、患者さんとご家族の方の役に立てるように頑張っていこうと思っています。
医師、そして小児科医という職業を志したきっかけは
何だったんですか?
「医師」という職業を意識したのは、中学生のときです。戦争やテロのニュースを目にする中で、国境なき医師団を知りました。その人たちに憧れたのが最初のきっかけですね。
かっこいいな、という思いと、中学生なりに「世のため、人のために何ができるか」という気持ちが芽生えました。
小児科医になろうと思ったのは、自分が子どものときにお世話になっていた小児科の先生の影響が大きいです。生活のことも学校のことも、なんでも話して相談できるような先生でした。
大分県では産婦人科医と小児科医が足りていないことをニュースで知ったとき、海外じゃなくても、もっと身近で役に立てることがあるんじゃないかと思うようになりました。